世界経済評論IMPACT(世界経済評論インパクト)

No.3888
世界経済評論IMPACT No.3888

優れた?! 中国人気質

真田幸光

(嘉悦大学 副学長・愛知淑徳大学 名誉教授)

2025.07.07

 筆者が中国人とビジネスを直接始めたのは1984年である。

 東京銀行ソウル支店にいた際,筆者は,当時は台湾と国交があった韓国の首都・ソウルには,台湾政府の出先機関があり,様々なビジネスも含めた情報交換をしていた。

 その際に筆者が最も親しくなった台湾人は英国にも米国にも勤務をしたことがある軍人であり,台湾大使館の武官として活躍されていた方であった。

 その方から中国人との本当の付き合い方というものをかなり学んだつもりであったが,それでも,中国人との付き合い方は本当に難しく今もよく分からない。

 時に,「信頼出来ると思っていた中国人ビジネスマンにまさかと思うような裏切りもされたが,先方は全く筆者を裏切っていないとその後も平気で近寄って来る人もいる」と言うくらいであったので,本当に,未だに,「理解出来ぬことばかり」である。

 従って,中国人と接する際には,筆者にとって,「絶対にそんなことはない」「絶対にそうである」と思えること以外は,「必ず,何でもありと頭の中に置いておく」ことが大切であると考えている。

 さて,そうした中で,上述した台湾人が教えてくれた,「優れた?! 中国人気質」の一つに,「中国人の柔軟性」がある。そして,その柔軟性の一つに,「上有政策,下有対策」という有名な言葉に代表されるものがあると教わった。この言葉の意味,そもそもは,「国に政策があれば,国の下にいる人民にはその政策に対応する策がある」という意味であるが,「様々な決定事項について,人々は抜け道を考え出す」という意味で使われているものであり,昨今日本国内で議論されている中国人に対する,「外免」の話でも,日本政府や警察が対策を取れば,必ず,抜け道を探すであろうと言われている。

 外免ばかりか,日本国内の不動産取得や留学許可なども同様であろう。

 また,先の台湾人に教わったことの一つに,「中国人は何でも既成事実化をしていくことが上手である」という教えもあった。これは,敢えて,読者の方々のお叱りを恐れずに,筆者が教わったままの言葉で表現すれば,「中国人は嘘も百回言えば本当になると考えている」と言う言葉になる。

 南シナ海の島々をコンクリートで繋ぎながら自国領土化し,強制力のない国際司法裁判所からそうした人口島は違法であると言われても,自国領土と主張し続け,既成事実化している姿や,尖閣諸島近海で不当に海底資源開発をしている姿を見ても,こうした言葉の意味を感じるものである。

 こうした難しい人たちであるから,更に,最近では,日本経済新聞が報じているが如く,中国本土産の合成麻薬が日本に持ち込まれ,日本を軸にして,更に米国などにも輸出されていたなどと言った報道に接するにつけても,筆者はやはり,「日本政府は,一旦は,日本国内への中国人をはじめとする外国人に対する入国規制の強化を図る,それと共に,土地・不動産取得や企業買収などもしっかりと規制すべきではないか」と考えている。優れた?! 中国人の方々に事実上の支配をされたくなければであるが…。

(URL:http://www.world-economic-review.jp/impact/article3888.html)

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