世界経済評論IMPACT(世界経済評論インパクト)
グローバル化の弊害⁉︎
(愛知淑徳大学ビジネス学部ビジネス研究科 教授)
2024.09.30
筆者は「真のグローバル化が進み,民族や宗教,歴史の鎖から解き放たれ,世界の人々が地球人として生きていく世界,GLOBALな世界を理想とし目指すべきである」と考えている。しかし,「世界には今,約200の国が存在し,国を基準にしており,その結果,NationのInterの問題が存在し,これを基本とした世界はInternationalな状態に留まっていることから,現実的には民族や宗教,歴史の問題も横たわり,これによって様々な紛争まで起こっているのが実情である」との現実を考えると,今の段階では「日本も,経済的なメリットがあるとしても,安易に国家を海外に開放すべきではない」との考えを確信している。然るに,今の日本の方向性は,国の主要な元国策企業などを外資に開放したり,不動産関連会社や葬儀関連企業まで外資に開放する事例が増え,それが日本社会,否,日本国民の不利益にも繋がりつつあるとも見られる。更に,安易な外国人の受け入れは,「日本人社会の良き秩序」を乱す遠因ともなりかねず,米国政府が良く示す,しかし,曖昧なルールであるところの,「国家安全保障上のリスクがある。」という理屈を盾にして,もう少し,外の世界に対する法的な壁を用意しておく必要があるのではないかと考えている。
GLOBALな世界を良しとする筆者としては,不本意ではあるが,現実との折り合いをつけないと,「日本の良さ」が崩れてしまうと考えているからである。
さて,こうした中,韓国の主要紙である朝鮮日報を読んでいたら以下のような記事に接した。
(以下,引用)
“昨年,韓国の健康保険を利用して診療を受けた中国人が255万人に上った。韓国の与党・国民の力のキム・ミエ議員が,健康保険公団から入手した資料によると,昨年,韓国の健康保険を利用して診療を受けた外国人の合計は418万5,439人で,その診療の為に給付された金額は総額1兆7,206億ウォンであった。このうち,人数・金額とも中国人が占める割合が圧倒的に多かった。韓国の健康保険を利用した外国人418万人余のうち,中国人は61.1%に当たる255万人,また,金額では,健康保険の支出額1兆7,206億ウォンのうち68.6%に当たる1兆1,809億ウォンが中国人の診療に給付された。”
(引用終わり)如何であろうか? 韓国の議会では国益を意識した議論が浮上しているようである。そして,日本も韓国と同様の状態となっているのではないだろうか。それを先ず確認すると共に,もし,そうであれば,日本も国益を考えた政策展開を取るべきではないだろうか。Tax Payerとしても心配である。
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