世界経済評論IMPACT(世界経済評論インパクト)
この世の中には不思議なことが多すぎる;脱炭素化運動
(エアノス・ジャパン 代表取締役)
2024.07.08
アメリカのワシントンに住み着く「あるグループ」は,「地球温暖化」は人間が出し続けた炭酸ガス(CO2)のためだとして,世界で「脱炭素化運動」を展開している。しかし,地球温暖化がCO2によって起こったという実証データはまだ存在しない。ある人は,地球温暖化の原因はCO2ではなく,メタンガス(CH4)が増え続けたためだと言うが,その実証データもまだない。データとして出されているものは地球温暖化の「シミュレーション・データ」である。これは測定したデータの一部をあるアルゴリズムでシミュレーションしたものであり,推定であり,事実ではない。そもそも地球のどこの場所の温度をどのように測定すべきかがまだはっきり決まっていない。従って,温暖化しているという実証データがないので,最近「CO2により気候変動が起きている」と言い出した。つまり限られたデータでCO2ガスが地球温暖化の原因だろうと推定して,「地球温暖化説」を流布していたのである。IQAirの科学マネジャーのクリスティー・C・シュローダーは「正確な測定によって大気汚染を含めた地球温暖化の現状を把握した上で,対策を立てる必要がある」と言っている。
地球温暖化問題を提起したのは,アメリカの政治家のアル・ゴアとスタンフォード大学のある教授であるが,スタンフォード大の教授は,「短い期間の局所的なデータをものにした推定値であるので,膨大な数のガスセンサーでそれを実証しなければならない」と言っていた。従って殆どのアメリカ人は地球温暖化を信じておらず,特にドナルド・トランプなど共和党の人々は,地球が温暖化しているということは真実ではないと言っている。
最近いろいろの調査機関から,100年,300年という長いスパンの時間で見て,地球は温暖化していないというデータが出されている。歴史的に見ると,地球の温度は,温暖化したり,寒冷化したり「サイクル化」していると言う。むしろこれから地球は氷河期に入るとも言われている。地球の温度は,太陽の黒点の変化などによる太陽の温度の変化に影響を受けていると言う者もいる。
それでもアメリカのワシントンに住み着いている「あるグループ」は,CO2による地球温暖化を主張し続け,CO2を排出する工場の操業を停止しろと叫ぶ。ウォール街の国際資本家達は,ワシントンの「あるグループ」の言うことに賛同してきたが,最近イギリスのスナク首相は「北海での開発禁止はエネルギー安全保障を損なう。脱炭素を急ぐあまり国民負担が増えるのは好ましくない」と言っている。最近ウォール街の国際金融資本家も,自分達の利益のために,「CO2を削減するとコストが上がるので,CO2による地球温暖化問題は忘れましょう」と言い始めた。EU諸国のリーダーも,地球温暖化問題よりも,「エネルギー危機」を解決しようと言っている。まるでかつての「天動説・地動説論争」のようである。
つまり地球の温度はどの場所で,どのくらいの高さで測定すべきかを決めなければならないし,本当にどんなガスが地球温暖化をもたらしているのかを究明しなければならない。これまでは先進国の政府機関がごく限られた地域で数種類のガス濃度を測定していた。しかし最近「ガスセンサー」の品質が向上し,価格も下がってきたので,いろいろの民間団体でもガスの測定をする環境が整ってきた。これから「スーパー・コンピュータ」と「トリリオン・ガス・センサー」により,地球は温暖化しているのか,温暖化しているとしたらどんなガスが原因なのかを究明することになる。
- 筆 者 :三輪晴治
- 分 野 :国際政治
- 分 野 :資源・エネルギー・環境
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