世界経済評論IMPACT(世界経済評論インパクト)

No.1436

ポスト・グローバル化に取り残された日本

三輪晴治

((株)エアノス・ジャパン 代表取締役)

2019.08.05

 世界はポスト・グローバル化にすでに動いているのに,日本は2002年に小泉内閣がアメリカのグローバル化の尻馬に乗り,グローバル化にドライブをかけ続けている。非正規社員制度を導入し,規制緩和を振りかざし,「何でも民営化」を進め,移民も入れてきた。日本でもすでにブラジル村,中国村,インド村,韓国村ができている。これにより日本の実質賃金がどんどん下がってきた。そのために国内の内需が縮小し,「デフレの平成30年」となってしまった。GDPは500兆円から伸びなく,実質賃金は下がり続け,日本経済だけが一人負けになってしまった。そのため日本の国際的な地位も地盤沈下してきている。だが最近安倍政権は更にグローバル化を進め,大量の移民を入れる法律をつくり,水道法,種子法を改正して外国資本をどんどん入れようとしている。日本の土地を中国人がどんどん購入しているのを野放しにしている。日本の食料の安全保障,国のインフラの安全保障も崩壊してきている。かつてローマ帝国は移民を沢山入れ,傭兵をアウトソースしたために滅びてしまったが,日本もそのようになりそうである。

 外国人移住者統計によれば,日本は2015年に約39万人の移民をうけいれており,すでに移民の受け入れで世界第4位である。だが2018年政府は出入国管理法を改正し,一定の業種で外国人の単純労働者を2015年までに50万人以上を受け入れる計画を立てている。先進国は移民問題で大変困っているのに,日本は今頃になって移民法を制定して,大量の移民を入れようとしているのだ。

 グローバル化で疲弊してきている日本はポスト・グローバル化に舵を切り,トランプのように「ジャパン・ファースト」でなければならない。何としてもデフレを脱却する必要がある。平成デフレで,産業も国民も鬱になり,活力を失っている。日本は社会福祉費が増大し続けている。「生活保護」を増やせば増やすほど働くのが嫌になって,働かない人が増えてくる。日本では失業して親の年金で食べ,引きこもりになっている中高年の人が増えている。日雇い的な仕事で生活している若者が多くいる。人間は,社会に貢献できる適切な職場で仕事をする事が一番の喜びである。会社をレイオフされることが一番悲しいことで,働く場所がないことは人間として耐えられないことである。定年がさらに延長されるが,多くの日本人が適切な職場を沢山創らなければならない。

 同時に,これからの新しいデジタル時代で多くの人が働けるように国民が学習する環境を国が整える必要がある。かつて1970年代日本のものづくり力が強化されたとき,日本生産性本部を中心にして「品質管理」,「トータルQC」の手法を,国民運動として,国民をサポートした。今や,デジタル技術,IT技術,AI技術に対応できるための学習を助ける資料,トレーニング環境を整える必要がある。こうした施策のもとに社会福祉の構造を改革しなければならない。

 国は,適切な職場を多く創るために大きな投資をし,新しい産業を開発しなければならない。また建設国債を発行して,日本の老朽化したインフラの増強投資をしなければならない。そして無人工場を作ったり,AIなどによる機械で人間を置き換える動きを社会的にコントロールする必要がある。

 こうした「主権国家」として日本独自の政策を作り,経済を発展させ,国民を豊かにしなければならない。いつまでも二周遅れでアメリカの尻馬に乗ることをやめることである。日本は,中国や西洋諸国のように民衆がレジスタンスをする国ではないのかもしれないが,国のリーダーが正しい方向に国を導かなければ,江戸時代の百姓一揆のように民衆が立ち上がることになる。日本の少子化は,日本国民の国に対するレジスタンスなのかもしれない。民衆を甘く見てはならない。

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