世界経済評論IMPACT(世界経済評論インパクト)

No.1163

21世紀は巨大都市の地球空間における覇権の時代

瀬藤澄彦

(パリクラブ日仏経済フォーラム 議長)

2018.09.24

 21世紀の現代は第3の都市革命のなかにあるとも言われる。第1次都市革命が紀元前4000年前にメソポタミアで起こった後,第2次都市革命は19〜20世紀の産業革命とともに発生した。現代の都市革命は「グローバル都市革命」の時代にある。リヨン政治学院教授G.ファビュレルによれば,19世紀は植民帝国の世紀,20世紀は国民国家の世紀,そして21世紀は巨大都市の世紀になる。現代の明示的には見えない革命のひとつは巨大都市の地球空間における覇権であるとする。世界には150に上るメトロポールとされる拠点都市が大きな集積地として存在するが,これらの大都市は人口300万以上,そして国連は人口1000万以上の都市をさらにメガポール「巨大都市」と命名,現在その該当する24都市は2050年には50都市に倍増すると予測している。そしてかつて歴史家フェルディナンド・クローデルが「世界都市」,ピーター・ホールが「国際都市」,プリンストン大学教授サキア・サッセンが「グローバル都市」と命名していたこのような都市は,ジャン・ゴットマンによれば多国籍企業にとって不可欠な情報・金融・法務の機能を提供できる巨大都市「メガロポリス」となったのである。それはメトロポリス(大都市)圏をいくつか連鎖させながら超巨大都市としてメガロポリス(巨帯都市)を形成しつつある。

 ギリシャ語で大きな都市を意味するメガロポリスは現在,世界で次の3つである。第1に「ボスウォッシュ」(BosWash)と呼ばれる北米東海岸のボストンからニューヨーク,ワシントンDCまでの米国北東回廊と言われる都市群,第2に東京首都圏,名古屋,大阪・兵庫までの太平洋東海道ベルト地帯,第3に英国南部イングランド,ベネルックス諸国の隣接都市,ライン川沿いのドイツやフランスやスイスの都市,イタリア北部ミラノ都市群を貫く「バナナ・ブルー」と名付けられた三日月形に繋がった都市群。

 最近ではこれらに加えて中国の「珠江デルタ」地帯を入れることが多くなった。香港,マカオ,深圳,広州,珠海の都市群は高い経済成長で急速に巨大都市群の様相を帯びてきた。フランスの在日CNRS研究員S.マッロはここに日本列島,韓国から中国沿海岸部に連なる巨大な北東アジア都市圏が成立しつつある予言している。メトロポリゼーションの進行によって巨大な都市圏が地球規模で連続して繋がっていくメガロポリゼーションに発展しつつあるのではないかという仮説が今や現実化しつつあるのかもしれない。

[参考文献]
  • Guillaume Faburel, Les métropoles barbares, le passager cladestin, 2018
  • Latthieu Crozet, Miren Lafourcade, La nouvelle économique géographique, La Découverete 2009

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