世界経済評論IMPACT(世界経済評論インパクト)

No.1965
世界経済評論IMPACT No.1965

米国の大統領選挙と今後の米中関係

安室憲一

(兵庫県立大学・大阪商業大学 名誉教授)

2020.12.07

 混迷を深めるアメリカ大統領選挙だが,時の経過とともに全容が明らかになってきた。今回は筆者の推測を交えて,今後の展開と米中関係について述べてみたい。

 全容を理解する糸口は,トランプ大統領の落選によって誰が一番得をするかを考えることである。答えは簡単で,中国共産党と中国とのビジネスで巨額の利益を得てきたアメリカのビジネスマンである。これに「反トランプ派」のインテリやジャーナリストを加えると反対勢力のプロファイルが描ける。今回の大統領選挙では民主党は左派のバニー・サンダースを推す動きもあったが,彼は中国とのパイプがない。そこで,中国ビジネスに(悪い意味で)精通するハンター・バイデンを息子に持つジョン・バイデンが急遽浮上した。バイデン親子なら,トランプが破壊した米中利益共同体を復元できる。民主党はサンダースを引っ込める代わりに,彼が推す左派のカマラ・ハリスを次期副大統領候補に推薦した(注1)。

 しかし選挙の趨勢を見渡すと,バイデン候補を推す勢力は中国との交易で利益を得ている実業家,インテリ階級とジャーナリスト,社会主義活動家,西海岸の州に住む伝統的な民主党支持者にすぎない。彼らは少数派の「グローバリスト」である。他方,トランプを支援する人々は国内派の中間層であり,多数派を構成する「ナショナリスト」である。両候補の支持者の比率は,選挙演説に集まった支援者数から推測して,3:7くらいであろう。有権者の7割,少なく見積もっても6割はトランプ支持者であろう。とても通常の選挙方法ではバイデンに勝ち目はない。さて,このような情勢の下でバイデン候補が勝つためには,いかなる方法がありうるか。

 選挙人登録を行った有権者が投票所に直接赴いて投票する場合,選挙の管理者が投票数を誤魔化すことは難しいだろう。ところが今回はコロナの流行によって「三密」を防ぐために郵送による投票が奨励された。トランプは郵便投票が不正の温床になると警告したが,バイデンはコロナ対策として奨励した。案の定,郵便投票の結果,ある選挙区では有権者数よりも投票数が多いとか,死者が投票するというケースさえ出てきた。しかも郵便投票の結果,投票総数は過去最大規模に達した。不正を働く最もよい条件が整った。

 それでも,とくに激戦州では,郵便投票の不正でさえバイデンの劣勢を補うのに不足した。その場合,投票数をカウントする集計機械に手を加えておく必要があった。噂によると,ある州では,カウントした票数をバイデンが1.25倍,トランプが0.75倍になるようにプログラムされ,バイデンに加算された票数はトランプの得票数から差し引かれていたという証言がある。この集計機とプログラムを製作したのがドミニオン社である。このドミニオン社の本部はカナダ,サーバーはドイツのフランクフルトにあった。驚くことに,ドミニオン社の集計機の中身は中国製であり,フランクフルトのサーバーは湖南省の中国ユニコム,ロシア,イランと回線で繋がっていたという(注2)。しかも,そのサーバーが置かれていたのはCIAの施設内であるという。このサーバーには不正な集計データが残されているはずである。このデータが消去されてしまう前に接収に乗り出したのがトランプの弁護士だった元連邦検察官のシドニー・パウエルである。彼女はトランプ陣営から離脱し,軍の弁護士になった。軍の弁護士になれば軍法会議を招集でき,しかも被告を国家反逆罪で訴えることができる。国家反逆罪の最高刑は死刑である。彼女は,「クラーケンを解き放せ」と宣言したが,まさにその時,軍の特殊部隊がドミニオン社のサーバーを接収すべく,CIAの管理するフランクフルトの施設に突入した。このとき銃撃戦が起こり,CIA側が1名,特殊部隊の隊員5名が死亡したという。この情報はトーマス・マキナニー元空軍中将がWVWネットワークで明らかにしたものであるが,彼の地位からしてフェイクとは思えない。問題は,この銃撃の現場にCIAの長官のジーナ・ハスペルがいて負傷したとのことである。彼女はすぐに米国に移送され,収監され解任されたという。これが本当なら,この銃撃戦はクーデターの一種と考えられる。なぜドミニオン社のサーバーがフランクフルトにあり,しかもCIAが管理していたのか,なぜハスペルが銃撃戦の現場にいたのか,謎は深まるばかりである。おかしなことはまだある。焦点の1つであるジョージア州のブライアン・ケンプ知事と州務長官のブレッド・ラスペニーは共和党員であるにも関わらず,選挙の不正を認めず,バイデン勝利の宣言をした。噂によれば,この二名はドミニオン社からキックバックを受けていたという。これが事実であれば共和党側からも犯罪者が出ることになる。

 それにしても今回の大統領選挙は謎が多い。なぜ大手マスコミは事件の真相を報道しないのか。ジャーナリズムは「暴君のトランプはまだ敗北を認めずゴネている」といったコメントを流している(注3)。選挙不正の報道はYouTubeのようなネットだけである。もし不正選挙が真実であったなら,民主党が崩壊するだけでなく,大手新聞を含む報道界全体が市民から見捨てられるだろう。中国共産党にとってバイデンが勝てば「吉」,トランプが勝てば「凶」になる。トランプが勝てば中国共産党への報復が始まるだろう。

[注]
  • (1)バイデンは勝利宣言のなかで「アメリカを元に戻す」(America is back)と述べている。11月25日に習近平はすかさず電話で祝意を伝えた。オバマと同様,バイデンは口では中国の人権無視を非難するだろうが,トランプが課した経済制裁などは暫時撤回するだろう。バイデンはオバマ時代のズブズブの米中関係に復帰する考えだろう。
  • (2)旧ドミニオン社のホームページに行くと,中国とのリンクがあり,そのリンクをクリックすると驚くことにインターネット・カジノのホームページに繋がる。そのカジノにリンクしているのが,ファーゥェーとアリババである(YouTube 大紀元エポック・タイムズ「ドミニオン社のサーバーに中国とイランが接続」(2020年11月30日: 同YouTube「米大統領選挙! ドミニオン社をサイバー追跡した結果『マカオの賭博サイト,ファーウェイ,アリババ』ディープステイトに辿り着いた証拠動画」(2020年11月30日)参照。
  • (3)例えば,The Economist「後退する民主主義 挽回への希望」『日本経済新聞』2020年12月1日(火)朝刊
(URL:http://www.world-economic-review.jp/impact/article1965.html)

関連記事

安室憲一

最新のコラム